過去の日本では、大都市圏において「路面電車は自動車交通の障害になる」として、それを次々と廃止して来ました。周知の通り、路面電車は省エネで環境に優しい公共交通機関として世界的に見直されておりますが、昔の人は何故にこのような優れた乗り物を捨てて顧みなかったのでしょうか。自家用車の方が明らかに環境に悪く、しかも限りある資源を大量に消費することは分かっていたはずです。ここに、経済界、なかんずく自動車業界と政治の癒着を感じざるを得ないのですが、後戻りすることは可能なはずです。しかし、路面電車が復権する兆しは一部の地方都市では見られるのですが、全国的なムーブメントになる気配は感じられません。
そこには、未だに道路における主役が車であるという固定観念から抜け出せないダメな日本人を感じざるを得ません。警察庁は遅まきながら自動車偏重の道路行政を見直す動きを見せておりますが、その先行きは不透明です。路面電車があまりに遅くて利用者が増えないと言うのであれば、それを少しでも速くする工夫が必要なのです。路面電車が接近した交差点では、路面電車の信号待ち時間がなるべく短くなるような信号機を導入することが効果的です。また、路面電車は各駅停車が当たり前のように思われておりますが、準郊外路線などでは待避線を設けて緩急接続や追い抜きを可能にすることも、乗客を増やすために必要な施策になるでしょう。そして乗客が増えることにより、更なる好循環が生まれるのではないでしょうか。